
「Norbert Lellesに話を聞きに行ってくれ、彼はLelles'Quality "Mercandise"にいる。ハハ!」
「彼は、店に泥棒に入られてな、その解決の為に俺達を雇ったわけだ」
"Mercandise"、またネタにされてるな。
連続での仕事。仕事の回転率がいいのはよい事だ。
昼間のはなんだか気の抜ける話だったが、今度はどうなるやら。

これはコレで味のある看板だ。
店主曰く、ちょっとした間違い。間が悪かった。そうだ

「Norbertさん。Fighters Guildから来ました」
「ああ、Clainさん本日は・・・・FightersGuild?」
「ちょっと生業を変えたもので、泥棒に入られたとか?」
そうだ。後でChristopheにも説明しとかないと、彼に嘘を付いたままにしとくのは気分が悪い。
「そうだったんですか。…私はここ数ヶ月で沢山の商品を失ったんです」
「補充しては盗まれるの繰り返し。新しい錠に変えてもです、ちくしょう!」
数ヶ月って・・・良く潰れないな。
というか何故Guardに言わないのだろう、仕事が無くなるのは困るから俺は言わないが。
「奴等はいつも夜、私が寝た後に来るんだ。恐らく魔術師がいて奴等を移動させてるんだよ!」
「あなたにはちょっと一晩店に居て欲しいのです。私はこの件が解決するまで、Flowing Bowlで待つことにします」
「あなたならここを安全にしてくれると信じてるよ」
一通り説明してNorbertは出て行った。
ふむ、まぁもう夜も更けている。泥棒さん方が来るまでそう長くはなかろう。

彼は俺に何か隠してるんだろうな。
確かにNorbertは見たまんまの、のほほんとした人物だが
数ヶ月も泥棒に入られ続けて、Guardに助けを求めるという選択肢が浮ばない程抜けてはいないはずだ。
そして耐えかねて頼ったのがFightersGuild。 Guardに頼るのをそこまで避ける理由・・・・。
ありがちな話だと、"実はNorbertはSkoomaの密売をしていた!"ってところだが
その手の話を持ちかけられた事もないし聞いたことも無い、そんな人物にも見えない。

第一、そんな長期間に渡って被害を被れば、普通は店自体が傾く。
Norbertが報酬を用意してまで依頼をしてくるということは、被害は軽くない。
それでも未だに店を続けていられるのは、恐らく泥棒達が"生かさず殺さず"で盗みを続けているからだろう
となると、泥棒達はこの店の内部事情に詳しい必要がある。
在庫と残資金を把握してなければこんな状態は維持できない。
・・・・Norbertもほんとお人好しだな。

さて、どうしたもんかね。
こちらには全く気づかないし堂々と表から入ってくるし・・・。
大人しく去ってくれれば良し、駄目なら・・・・・Norbertも覚悟はしてるだろう。

「お客さん、閉店時間はとっくに過ぎてるよ」

泥棒3人組は、こちらに気づくなり武器を抜いた。
仕方ない。

この!

恩知らず共が!

彼の元で普通に働いていれば、また違う道もあったろうに。
・・・Norbertへ仕事が終わったことを伝えよう。

泥棒3人組の容姿を伝えると、Norbertは驚きそして悲しげな顔をした。
あの3人はやはり彼の店の店員で、毎朝店を開く事を任せてさえいたようだ。
"何が彼らを犯罪に走らせたか、想像もできません"
そう言って彼は報酬を手渡して来た。
裏切りに対して怒りではなく、悲しみをみせたNorbert。
愛していた亭主に裏切られたMaeva
彼等の心には傷が残るだろう。
今は、彼等がその傷を乗り越えられる事を願おう。